これまでのまとめ的な番組が流れる夕飯の時に,NHKでこんなニュースが。
▼ 異字同訓使い分け手引 42年ぶり見直し NHKニュース
文化庁の文化審議会は訓読みが同じ漢字、「異字同訓」の使い分けの事例を示す手引を42年ぶりに見直し、それぞれの漢字が持つ意味など詳しい説明を新たに加えました。たとえば,41歳葛西紀明選手のスキージャンプ銀メダル。
ワタシと同い年の方の活躍に,大いに発奮させられるわけですが・・・
・・・スキージャンプ,「飛ぶ?」「跳ぶ?」
そしてフィギュアスケート女子フリーで,自己ベストを出した浅田真央選手。
リアルタイムで深夜に観戦しましたが,前日の不振を見事に覆す精神力と演技に,震えるほどに感動しました。
・・・スケートのジャンプ,「飛ぶ?」「跳ぶ?」
このように,「同じ訓読み」の漢字を異字同訓と呼びます。
同じ読み方なのに,意味が微妙に使い分けられている。
いかにも細やかなニュアンスを表現する,日本語らしいポイントだなぁと思います。
この異字同訓のガイドとしては,昭和47年の「異字同訓の漢字の用法」があるそうです。
同音で意味の近い語が漢字で書かれる場合,その慣用上の使い分けの大体を用例で示したもの。
現在も新聞,放送,出版関係など各方面で参考にされているそうです。
▼ 「異字同訓」の漢字の用法 昭和47年 (PDF)
作成から40年以上が経ち,実態に合わないものも出てきているため,見直しというニュースですね。
昭和47年。葛西選手やワタシが生まれた年です。なので42年ぶりの見直し(!)
PDFを見てみましたが,当時の監修では花火は「揚がる」だそうです。
揚がった花火だなんて,香ばしそうな花火!
あわせて,見直し報告版PDFも実際に文化庁のページで見てみましたが,なるほどなるほど。
「あう(会う・合う・遭う)」から,「わずらう(煩う・患う)」まで133項目が記載されています。
読んでみると,中々に面白いです。
先ほどの「花火が揚がる」も,
「空中に浮かぶ」花火の様子に視点を置いて「揚」を当てるが,「空高く上がっていく(高い方に動く)」花火の様子に視点を置いた場合には「上」を当てることが多い。という注釈が入っていますね。
うーん「花火が上がる」,正直こちらの方がしっくりきます(^^;
PDFなので,ダウンロードしてiPadのi文庫HDなどのリーダーで読み返せるようにしても良いかも。
▼ 「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告) (PDF)
今やPCやiPhoneのIMEで,知らない漢字でも候補として出てきますからねぇ。
IMEによっては,変換候補に用例の説明が出てきたりもしますし。
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一緒に夕飯を食べていた娘は,すっかりiOSデバイスっ子。
家の中ではWiFiで常時接続ですから,お友達とメールやらiMessageやらスッスッとやってるわけです。
が。
このニュースを見ていて,「飛ぶ」「跳ぶ」の使い分けは出来ていました。ホッ(^^;
とぶ 089ということで,スキージャンプは「飛ぶ」,スケートジャンプは「跳ぶ」でした。
飛ぶ:空中を移動する。速く移動する。広まる。順序どおりでなく先に進む。
跳ぶ:地面を蹴って高く上がる。
日本語って,難しい。
そして美しい。
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