アンドロメダ銀河(M31)の姿
「アンドロメダの涙」(The Once and Future Andromeda Stream)と呼ばれるその"涙"の正体が,突き止められたようです。
・「アンドロメダの涙」のナゾを解明 筑波大スパコン (asahi.com)
計算機シミュレーションの結果,アンドロメダ銀河に衝突し,「涙」ができるきっかけをつくったのは,同銀河の400分の1程度の質量をもつ小さな銀河だった。「涙」を形づくる星々の質量は,全部合わせると太陽の約3億倍にもなるという。詳細な内容については,この筑波大学計算科学研究センターの森准教授の記事に詳しいです。
・アンドロメダの涙,その真実
これによれば,
今から10億年前にアンドロメダの1/400程度の質量しかない小さな銀河が,アンドロメダの強い重力に捕まり,無残にもバラバラに引き裂かれ,その残骸がアンドロメダの周りに散らばっているのである。というカラクリだそうです。
この矮小銀河の残骸は約40万光年にも渡って夜空を流れる"アンドロメダの涙"を作り上げ,幾重にも重なる貝殻状の星の群れを産みだすことになった。
正確にはシミュレーションの結果,今の姿になった状態を逆算していくと,おそらくは・・・という数値実験に基づく推測ですね。
文章で書くと簡単ですが・・・
「10億年前」「銀河と銀河の衝突」「40万光年に渡る星の群れ」というスケール。
宇宙の途方もないスケールと時間の流れに,頭は思考停止です。
でもパニパニパニックではいけません。
人間には,想像する力がある。
想像すれば,10億年前だって,40万光年の星の流れだって,230万光年彼方のアンドロメダ銀河の姿だって,理解できる。
そんな人間の好奇心が欲求が,今回の解明に繋がったに違いありません。
しかもこの「アンドロメダの涙」は,20億~30億年後(←これまた途方もない(^^;)にはアンドロメダ銀河の円盤を球状に囲む姿になるそうな。
つまり,天体望遠鏡などで見える姿は止まって見えますが,今なお拡散しているというわけです。
拡散といえば,アンドロメダ銀河そのものも動いており。
Wikipediaによると,
アンドロメダ銀河のスペクトルは青方偏移を持ち,我々の銀河系に対して秒速約300kmで接近している 。約30億年後にはこの二つの銀河は衝突して合体し,一つの巨大な楕円銀河を形成すると予想されている。ということは,「アンドロメダの涙」が球状に取り囲む頃には,我々の銀河系のすぐそばに・・・
そして,銀河と銀河の衝突(!)
ワタシの世代では「機械の体をタダでくれる星」があったり,「拡散波動砲を撃つ宇宙戦艦」だったりするわけですが,その正体はやはり途方もないものでした。
地球から遠く230万光年に位置するアンドロメダ。
今見えている姿は,230万年前の姿なんですよね・・・
ということで,今宵は思考を止めず,しばし宇宙の彼方に思いを馳せてみようと思います。
この記事へのコメント
天のがわ
アンドロメダの涙‥ 初めて知りました。(・・*
銀河と銀河の衝突から出来たこの涙。
何だか‥ 神秘的で一種物悲しい感じもして。(・・
だけど‥ 綺麗ですねぇ。。
マキパパ
ホント,神秘的。
そしてスケールの大きなハナシですね。
涙という表現は,実に絶妙なセンスだなぁと。
夜空を見上げて。
遠く,思いを馳せています。